2018年11月27日

弁護士から見た契約書の文例・雛形をネットで探すときの注意点

1 契約書の文例・雛形の探し方

インターネット上では、契約書の文例や雛形がたくさん出ています。
非常に便利なのですが、たくさんありすぎて、
どれを参考にすればよいのか分からないという声を聞きます。

そこで、まず、契約書の文例・雛形の探し方について、ご説明します。
売買契約書、賃貸借契約書、金銭消費貸借契約書、業務委託契約書、請負契約書など,
いろいろな種類の契約書があります。

契約の内容によって、決めるべき内容も異なってきますので、
まずは、自分がどの種類の契約をしようとしているのか確認してください。

物を売ったり、買ったりする場合は売買契約書、
不動産を貸したり、借りたりする場合は賃貸借契約書、
お金を貸したり、借りたりする場合は金銭消費貸借契約書、
業務を委託、受託する場合は業務委託契約書、
仕事の完成を目的とする場合は請負契約書です。

そして、その契約書にもいくつかの文例・雛形が用意されていると思いますので、
その中から、ご自身の取引に近いものを選んでください。

 

2 文例・雛形の取捨選択

売買契約書でも、詳細に記載されている雛形もあれば簡単なものもあります。

弁護士から見て、こんなに詳細に記載しなくてもよいと思うものや、
あまりに簡単すぎると思うものもあります。

また、この文例のこの条項は不要で、
かわりに別の文例の条項を付け足したらよいという場合もあります。

様々な契約書を見比べて、ご自身の取引の実態にあわせて、
取捨選択をすれば、よりよい契約書になると思います。
取捨選択を間違え、契約書から大事なことが漏れていると、
後にトラブルになる可能性があるので、注意が必要です。

 

3 文例・雛形の修正

取引の内容によっては、文例・雛形を修正しなければならないこともあります。
特に、典型的な取引形態ではない場合は、大幅に修正しなければなりません。
そのような場合に、文例・雛形のままの契約書を用いると、
実態にあわない契約書になり、契約書の意味がありません。

また、インターネット上に載っている文例・雛形の契約条項の中には,
法律上は無効となる条項が記載されていることもあり、
そのような場合には修正が必要です。

文例・雛形の文言を取捨選択するときもそうですが、
修正する場合については、なかなかご自身では難しいと思います。

内容をよく理解していないまま文例・雛形に出ている条項をそのまま用いてしまい、
非常に不利な内容の契約をしてしまうこともありますので、
弁護士に相談されることをお勧めします。


執筆者プロフィール
弁護士紹介|森岡 真一(副所長)弁護士 小堀秀行 >>プロフィール詳細
30年以上に渡って,企業からの様々な相談を受けている。
顧客対応やクレーム処理,債権回収など,時代によって対応に変化が必要であり,最近はSNSなどを意識した対応に心がけている。
2018年11月27日 | Posted in 全記事, 契約書作成, 小堀秀行の記事一覧, 法人の相談 | タグ: Comments Closed 

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