2018年11月27日

契約書の作り方「名義と住所について」

今回は契約書の名義と住所について,ご説明したいと思います。

1 契約書には誰の名前を書けばよいか

基本的に契約の名義人は,誰が契約の当事者なのかということで決まります。
たとえば,私が,銀行から100万円を借りる場合は,貸す側の銀行と借りる側の私が当事者のため,契約の名義人欄には,銀行と私の名前を書けばよいことになります。
契約書を交わしたのが個人であれば迷われないと思います。

ところが,会社との取引の場合,実際に契約書を作ったのは,会社そのものではなく,担当者ですね。
しかし,担当者個人が取引をしたのではないので,担当者の名前が契約書に出てくることは通常ありません。

取引はあくまで会社とするものであるため,契約書には会社の名前を記載することになります。

2 会社名と代表取締役の名前を併記する

契約書には会社の名前だけ書いておけばよいのかというと,そうではありません。
会社はあくまで組織であり,会社自体ではなく,会社にいる人が実際の契約締結行為を行いますし,契約を締結する権限がない人が,会社として契約を結んでしまったならば,後から契約が無効になるおそれがあります。
そのため,会社として契約を結ぶ権限を持っている人の名前も,契約書の名義人欄に書いた方がよいでしょう。

代表取締役は会社として契約を締結する権限を持っていますから,会社との契約の場合,会社名だけでなく代表取締役の名前も併記すると問題が生じません。
押印も,会社名の入っている代表取締役の印鑑を使うのがよいと思います。

ちなみに,契約を結んだ時点で権限があれば良いため,契約を結んだ後で代表取締役が退任してしまったとしても,契約の効力に影響はありません。

3 会社の住所は,登記上の本店所在地を記載する

契約した相手が人違いであっては大変ですので,契約の当事者を特定するために,会社名・代表取締役名だけではなく,契約書には住所を記載することになります。
個人として契約するのであれば,自宅の住所を記載することになるでしょう。
会社であれば,会社の本店所在地として登記した住所地を記載することが多いです。

それでは,登記上の本店所在地からすでに引越してしまい,実態は別の場所に会社がある場合,住所はどのように記載したらよいでしょうか。
考え方は様々ですが,契約の効力だけ考えるのであれば,住所地は名義人の特定のために書くものですので,その記載で会社の特定ができればよいことになります。
もっとも,会社は登記で存在を証明できるので,契約書に登記上の本店所在地を記載するのが適切だと考えられます。

なお,本店所在地が変更となった場合には,登記上の本店所在地を変更する必要がありますので,ご注意ください。
もちろん,契約を結んだ後で住所地を変更したとしても,契約の効力に影響はありませんのでご安心ください。

4 まとめ

① 契約の名義人は,会社の場合,会社名と代表取締役名を記載し,会社名の記載のある代表取締役の印を押すのが適切。
② 契約の住所地は,会社の場合,登記上の本店所在地を記載するのが適切。

契約書を作成するときは,以上の点をチェックしてみてくださいね。

2018年11月27日 | Posted in 全記事, 契約書作成, 法人の相談 | | Comments Closed 

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