2018年11月27日

消滅時効とは

1 消滅時効とは

今回の民法改正で,皆さんに大きく関わるポイントの1つが,消滅時効の期間が変わる,という点です。
消滅時効とは,簡単に言うと,権利が行使できるのに長期間にわたって権利を行使しないでいた場合,相手方がこの権利を消滅させる意思を示したときは,その権利が消滅するという制度です。

2 現行民法の時効制度

現在は,権利の性質に応じて,いくつかの時効期間が設定されています。
たとえば,個人間でお金を貸し借りした場合は,一般的な契約上の債権として扱われるので,権利を行使できる時から10年で消滅時効にかかります。
しかし,会社が銀行からお金を借りた場合には,商取引の上の債権として,一般的な時効期間よりも短くなり,権利を行使できる時から5年で消滅時効にかかります。

交通事故のような不法行為の損害賠償請求権については,事故による損害と加害者を知った時から3年で消滅時効になり,損害や加害者がわからなかった場合でも,交通事故の時から20年で時効となります。
ちなみに弁護士が,依頼を受けた事件について報酬を請求する権利の時効期間は短く,事件が終了してから2年間の時効期間が定められています。
この他にも,1年~3年という短い時効期間が定められているものも多くあります。

3 民法改正後の時効期間

今回の民法改正では,権利の性質にかかわらず時効期間はほとんどが一本化され,原則として,権利を行使できることを知った時から5年,権利を行使できる時からは10年の時効期間となります。
先ほどの例で言いますと,個人間のお金の貸し借りの場合,貸主は,権利を行使できる時(返済期限など)をわかっていることがほとんどだと思われるので,現在よりも短い期間で時効になってしまうことになります。
逆に,弁護士報酬など,現在は短期間の時効期間となっているものについては時効期間がより長くなることになります。

不法行為の時効期間は,現行民法と同じく,原則として3年間です。
しかし,交通事故などの不法行為で,人の命が奪われたり,怪我をさせられたりしたのであれば,例外的に,損害と加害者を知った時から5年,損害や加害者がわからなかった場合でも,事故の時から20年で時効となります。

4 まとめ

民法の改正によって,権利の性質によって様々な時効期間が定められていた現行民法と比べれば,時効期間が一本化されることによって,わかりやすくはなります。
しかしながら,時効期間の例外的な規定がありますし,また,「『権利を行使できることを知った時』や『権利を行使できる時』とは何時か」ということが問題になることもあります。

さらに,連帯保証している場合など,主債務と保証債務とを検討しなければならないときには,非常に複雑な問題が発生します。
消滅時効になってしまうと,法律上の権利を行使することができなくなるので,いくら契約書があっても,債権を回収することが不可能になってしまいます。

時効制度は複雑なところがありますので,判断に迷われたら,遠慮無く,弁護士にご相談いただければと思います。

2018年11月27日 | Posted in 全記事, 民法改正, 法人の相談 | | Comments Closed 

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