売掛金、債権回収のご相談

売掛金、債権回収のご相談企業に対しては、企業法務と付加価値の強化を

御社では、取引先からの売掛金を回収できないことがございませんか?
回収できない理由に大きく二つあります。
一つは,相手先が資金繰りに苦しんでいて,支払いを後回しにされているケース
もう一つは,クレームなどで売掛金の支払義務自体や金額に争いがあるケースです。

「支払う」と言いながら支払わない

金額に争いがない場合,請求書を送ったり,催促の電話をすると,
相手先は大抵「今月末には必ず払います」などと答えますが,
実際には支払われず,ずるずると引き延ばされることがよくあります。
このような場合は,すぐに訴訟を起こすことをお勧めしています。

こんな相手先は沢山の債権者から請求を受けていますので,
より強力な請求をされたところから順番に支払うという傾向があります。

そこで,弊所では弁護士名の内容証明郵便を送るよりも,
すぐに訴えを起こすことにしています。

弁護士からの内容証明郵便が来ても,それほど困りませんが,
さすがに裁判所から訴状が届くと,差押えを受ける可能性がありますので,
放っておくことはできません。すぐに支払ってくるケースが多いのです。

問題は,50万円ほどの売掛金を回収するのに,
弁護士費用をかけるのが適切かという点にあります。

一般的な法律事務所の報酬規程の場合,
内容証明書で4万円,訴訟提起の着手金で10万円が必要となります。

そこで,弊所では売掛金の内容に争いがないケースで,
140万円未満のものについては,訴訟提起の着手金を一律5万円(税別)とし,
回収できた場合には成功報酬として回収額の20%を支払って頂くことにしています。
(140万円未満は簡易裁判所の管轄になります)

なかなか回収できない売掛金をどうしようかと悩んでいる間にも,
相手先が他の債権者に支払いを続け,資金状態が益々悪化していきます。
早めに相談されることをお勧めします。

 

②金額に争いがある場合

納めた商品に瑕疵があったというクレームを述べて,
支払わないという相手先の場合には,
そのクレームの解決が必要になります。

ボタンのかけ違いで,紛争が深刻化することもよくありますので,
初期対応を誤ってはなりません。

早めに専門家のアドバイスを受けられることをお勧めします。

そして,不当なクレームの場合には,訴訟の提起も必要となります。
この場合の弁護士費用は,通常の金銭請求の基準が適応されます。

 

このように、理由によって対処法も様々ですので、まずはお気軽にご相談ください。
回収の見込み等もご説明いたします。

 

取引先が倒産!?そんな場合の対処法

売掛金、債権回収の対処法として、取引先が倒産した場合を想定して、対処法をご紹介しましょう。倒産と言っても、自己破産、民事再生、会社更生など、下記のように色々なパターンがあります。

自己破産

会社が自ら裁判所に破産の申立をします。申立後、裁判所が破産開始決定と同時に、破産管財人と言われる弁護士を選任します。破産管財人は会社の財産を調査し、できるだけ高額に処分して、債権者に対して配当しますが、財産がなければ配当がゼロとなります。配当が終了すれば会社は消滅します。

民事再生

民事再生では、会社が自ら裁判所に民事再生の申立をしますが、会社が依頼した申立代理人(弁護士)が中心となって手続を進めます。事業の状態や資産状況に応じて、自主再建や事業譲渡などの方策を選択することになります。そのため、事業再建が目的となります。

会社更生

会社更生では、まず保全管理人が選任されて経営を引き継ぎ、その後、開始決定がされた時点で更生管財人が選任されて経営の権限を持ちます。以前の経営者は原則として経営から退くことになります。その後、民事再生と同様に、事業の状態や資産状況に応じて、自主再建や事業譲渡などの方策を選択することになります。そのため、事業再建が目的となります。

このように、自己破産になってしまうと、債権回収は難しくなります。しかし、民事再生、会社更生の場合は、可能性があるので、この2つの場合における債権回収の方法についてご紹介しましょう。

商品の販売先が倒産した場合

この場合は、商品の引き上げを検討します。御社には、商品売買の先取特権という担保権がありますが、販売先の同意を得ずに店舗や倉庫の商品を引き上げると、窃盗罪になることがあります。そこで、申立代理人の弁護士と交渉し、場合によっては裁判所の手続を行って引き上げます。販売先が商社や小売事業者の場合、すでに商品が転売されていることもあります。その場合、転売先から代金の支払いがされていなければ、その代金を差し押さえることもできます。

商品の販売先が倒産した場合

継続的な納品をすべきかどうかについて

自己破産の場合は新たな納品を求められることはありません(会社が消滅するため)が、民事再生や会社更生では納品が求められることが一般的です。この場合、代金が回収できないリスクがありますので、当分の間は代金の先払いをしてもらうことになります。

請負契約(建設工事・システム開発など)の請負人が倒産した場合

建築工事やシステム開発は請負契約になります。注文者(御社)が請負人(発注先)に仕事の完成を発注し、請負契約が成立します。多くの場合、前渡金や頭金が支払われていますが、請負人が倒産してしまうと前渡金の行方はどうなるのでしょうか。

請負人が倒産した場合、あわてて注文を解除してはいけません。仕事が未完成の段階で破産になった場合、請負人の破産管財人には、1.その仕事を完成させて代金を請求するか、2.契約を解除するかの選択権が与えられます。

請負契約(建設工事・システム開発など)の請負人が倒産した場合

ほとんどの場合、破産管財人は契約を解除しますが、その場合、破産管財人は注文者に対し前渡金を出来高と精算して返さなければならず、この過払い前渡金返還請求権は財団債権として優先権が与えられます。

しかし、注文者が注文を解除した場合は、優先権がなくなります。そのため、解除はしてはなりません。

なお、請負人が民事再生や会社更生を申し立てた場合は、仕事を継続して行うケースがほとんどです。ですので、注文を解除する必要もありません。

請負契約(建設工事・システム開発など)の注文者が倒産した場合

建築工事やシステム開発は請負契約になります。注文者(元請)が請負人(御社)に仕事を発注し請負契約(下請契約)が成立します。しかし、注文者が倒産してしまうとどうなるのでしょうか。元請が自己破産した場合は、元請の破産管財人は下請契約を解除することが多いです。そのため、すでに終わった業務の代金については破産債権届を出して配当を受けるしかありません。

元請が民事再生や会社更生をした場合は、元請側は解除を選択せず業務の続行を求めることが多いです。さらに、すでに終わった過去分の業務代金と、今から行う将来分の業務代金に分け、将来分は全額支払うが、過去分は債権カットするという方針が説明されることがほとんどです。これでは、御社は、過去分を損することになります。

請負契約(建設工事・システム開発など)の注文者が倒産した場合

しかし、この過去分についても全額を支払うべきとする判例があります。破産や民事再生、会社更生は法律や判例が複雑になっており、弁護士であっても正確に理解している人は多くありません。倒産問題に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。