2018年11月27日

債権法改正(法定利率)

1 法定利率とは?

今回の民法改正で,大きく変わるポイントの1つが,法定利率です。
お金を支払え,という金銭債権には,上乗せして支払う利息が付いてくることがあります。この利息を計算するときの割合が利率です。

契約であれば,利率は当事者が自由に決めることができます(約定利率)が,当事者が利率を取り決めていないこともあります。
そういうときは,法律で定められた利率(法定利率)が適用されることになります。

この法定利率は,利息を決める場合の一般的な利率を定めたものとされており,利息以外にも損害賠償など,多くの場面で使われています。

2 2つの法定利率

まず,民法では,年5%の法定利率が定められています。たとえば,交通事故の損害賠償や,友人間で貸したお金の返済が遅れている場合には,年5%の法定利率による損害金を上乗せして請求できます。
また,商法では,年6%の法定利率が定められています。たとえば,会社の取引で商品を売った代金を払ってくれない,会社が給料を払ってくれない,といった場合には,年6%の法定利率による損害金を上乗せして請求できます。
このように,現在は,5%と6%の,2つの法定利率が定められています。

3 市場金利との乖離

この法定利率は現在の1%に満たない市場金利よりも,かなり高くなっています。
法定利率の引き下げと,今後市場の状況に合わせて変動させることになりました。

そこで改正後は,商法の年6%の法定利率が廃止され,民法上の法定利率も3%に変わります。
つまり,いったん年3%に法定利率が一本化されることになります。

また,銀行の貸付利率の変動に合わせて,3年ごとに利率が見直されますので,今後法定利率が変動する可能性があります。
ただし,一度適用された利率は固定され,それ以降は変わりません。固定されるタイミングは,利息が発生した時点です。

4 改正による影響

法定利率が5%から3%に引き下げられるため,利息や損害金の額は,以前よりも小さくなります。
他方,たとえば交通事故などで後遺症が残り,将来得られるはずだった収入が減った分を,現在請求できることがあります。
こういった将来の分の損害を計算するときは,「中間利息」というものを除くことになり,その計算にも法定利率が使われます。
そうすると,法定利率が低いほど,除かれる中間利息は小さくなるため,結果的に払ってもらう金額が高くなるのです。

利率の計算は複雑ですので,迷われたら,気軽にお尋ねください。

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