【企業法務】セクハラをやめさせるための注意の仕方と3つのポイント
前回は、弁護士が教えるセクハラ防止対策に効果的な5つの方法についてお伝えしました。
【前回のコラムはこちら】
今回は、セクハラをやめさせる場合の注意の仕方と3つのポイントについてお伝えします。
自分がセクハラ被害を受けた場合、同僚や部下がセクハラをしているのを見かけた場合、 何とかしてやめさせたいけど、どのように注意すればよいだろうか と悩まれることが多いと思います。
それぞれの立場によって具体的な注意の仕方は変わってきますが、 いずれにも共通するポイントが3つあります。
ポイント1
「相手が不快に思う言動だということを説明」して注意すること
これぐらい許されるのではないかとか、相手が拒否していないからセクハラではないのではないかと考えて、セクハラ行為をしている ことがあります。特に、大勢の前で堂々とセクハラ発言をしている場合は、それがセクハラ発言だと分かっていない可能性が高いです。
そのため、 その発言はこういう理由で相手を不快にさせる言動だと説明し、注意する ことが有用です。
また、相手が嫌がっていないと考えてセクハラ行為をしている場合は、内心は不快感や嫌悪感を抱きながらも、職場の人間関係の悪化などを懸念して嫌だと言えない場合もあり、一般的には その行為は相手が不快に思う言動だから慎むようにと注意すればよい と思います。
ポイント2
「職場環境を悪化させる可能性があることを説明」して注意すること
例えば、職場の男性従業員同士で「女はこうあるべきだ」などと周囲に聞こえる声で話をしているとします。
当人同士はたわいもない会話をしていると思っているかも知れませんが、周りで聞いている女性は嫌な思いをしているかも知れません。
この会社では、仕事ができるできないにかかわらず、こういう女性が評価されるのだと思えば、女性従業員はやる気を失い、職場環境を悪化する可能性があります。このようなことを説明して理解してもらう ことが大事です。
ポイント3
「懲戒処分の対象となる可能性があることを説明」して注意すること
就業規則にセクハラを禁止する規定をもうけている会社もあると思いますが、そうでない場合でも 社員の禁止行為として「会社の秩序又は職場規律を乱すこと」や「職場秩序を乱すこと」等の一般的な規定をもうけ、これに違反した場合は懲戒処分の対象になる ことを規定していると思います。
セクハラもこれらの服務規律違反として懲戒処分の対象となる 可能性があります。本人は軽い気持ちでしているかもしれませんが、懲戒処分の対象となる可能性があることを説明することで、セクハラ行為は許されないという強いメッセージになります。
その他
直接の注意ではありませんが、セクハラ窓口をもうけている会社の場合はその窓口に相談したり、あるいはセクハラをしている人の上司に相談して、注意をしてもらうことも有用だと思います。
まとめ
セクハラを見過ごしていると、職場環境が悪化し、事業がうまくいかないだけでなく、会社が被害者から訴訟を提起されることもありますので、セクハラ行為が繰り返される前に、早い段階でやめさせることが大事です。