2019年10月18日

【セクハラ・パワハラ】弁護士が教えるセクハラ防止対策に効果的な5つの方法

これまでは、どのような言動がセクハラにあたるかについて、詳しく説明してきました。
 【過去の関連コラムはこちら】 

今回は、弁護士が教えるセクハラ防止対策に効果的な5つの方法についてお伝えします。

事業主はセクハラを防止するために、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他雇用管理上講ずべき措置を講じなければならず(男女雇用機会均等法11条1項)、厚生労働大臣はその措置として10項目を定めています。

この 10項目を実施することがセクハラ防止対策に有効 なのですが、ここに記載されていないものや特に効果的なもの5つを以下に述べたいと思います。

防止対策1

「事業主自身がセクハラについて理解し、セクハラは許されないとの認識をもつ」

これは当然の前提ですから、10項目には書かれていませんが、一番大事な防止策です。

とある会社を訪問したとき、水着の女性のポスターが事務室に貼られていました。社長は何とも思っていない様子でしたが、私は、従業員はどう思っているのだろうか、取引先が見たらどう思うだろうかと非常に心配になりました。

 事業主自身がセクハラについて理解し、セクハラは許されないとの認識を持つ ことが何よりも重要です。

防止対策2

「セクハラに関する研修を実施する」

これは10項目のうちの1つ目「職場におけるセクシャルハラスメントの内容・セクシャルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること」の具体例の1つです。
 何をしたらセクハラになるのか、セクハラをしたら会社からどのような処分を受けるのか、被害者に慰謝料をどれぐらい支払わないといけないのか等、具体的なセクハラ事例を通して労働者に啓発することが効果的 だと思います。

このような研修は当事務所でも実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

防止対策3

「気軽に相談できる体制をとる」

これは10項目のうちの3つ目「相談窓口をあらかじめ定めること」、4つめ「相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また広く相談に対応すること」に関係します。

相談窓口を設置することは重要ですが、せっかく設置しても、秘密が守られなかったり、相談担当者との人間関係によっては、なかなか相談できない場合があります。

そこで、 気軽に相談できる体制をとる ことが大事だと思います。
誰かに気軽に相談できるという体制をとることで、セクハラをすれば会社に知られてしまうのでやめておこうという抑止効果も期待できます。
電話やメールで相談を受け付けたり、相談窓口を外部に委託することも有用です。

防止対策4

「セクハラがあった場合、被害者を救済すること」

これは10項目のうちの6つめ「事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと」と同じです。

被害者の訴えについて、それくらい我慢するようにという対応をすれば、会社は何もしてくれないということで被害を訴えることができなくなり、セクハラをした人は会社に居座り続けるのに、被害者が辞めていき、新たな被害者を生むことになります。

また、会社が何もしてくれないなら、弁護士に相談して何とかしてもらおうということで、弁護士に相談し、加害者のみならず会社も訴えられることもあります。

 被害者の訴えに真摯に耳を傾け、被害者と加害者を引き離すための配置転換など被害者救済のための措置をとる ことが重要です。

防止対策5

「セクハラがあった場合、加害者に適切な処分を行うこと」

これは10項目のうちの7つめ「事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適切に行うこと」と同じです。

毎年、従業員全員にセクハラ防止等に関する研修の参加を義務付け、「セクシャルハラスメントは許しません!!」と題する文書を作成して従業員に配布し、職場にも掲示し、セクハラは就業規則上「会社の秩序又は職場規律を乱すこと」に含まれ懲戒処分の対象となることを従業員に周知していた職場でも、言葉によるセクハラが横行していたという事業所がありました。

セクハラに関する研修を受けた後も「あんなん言ってたら女の子としゃべられへんなあ」「あんなん言われる奴は女の子に嫌われているんや」と発言していたそうです。

セクハラ発言を繰り返していた従業員らは出勤停止の処分を受け、さらに降格となりました。従業員らは処分の有効性を争いましたが、最高裁判所で処分は有効とされました。

研修を実施してもセクハラをする人には 実際に適切な処分を行うことで身をもってセクハラは許されないことを知ってもらわないといけません 

以上が5つの方法です。

当事務所では、研修の実施、外部相談窓口、相談後の被害者・加害者対応をすることが可能ですので、お気軽にご相談下さい。

執筆者プロフィール
弁護士紹介|浮田 美穂(副所長) 弁護士 浮田美穂 >>プロフィール詳細
平成14年より兼六法律事務所で勤務。
女性からの相談が多いため,セクハラ・パワハラの被害についての調停・訴訟の経験もある。
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