2018年11月27日

BtoBの契約書作成の手順を代理店契約書を例に学ぶ

1 交渉段階

企業間取引(BtoB)では、
企業同士の関係をまずしっかりと検討することが必要です。

たとえば、一口で代理店契約やこれに類する契約といっても、
総代理店、専売店、販売委託、フランチャイズ契約等
その内容は一様ではありません。

また、代理店契約等企業間の取引契約では、
独占禁止法の適用が問題にある場合があります。

例えば、メーカーから仕入れた商品を
ユーザーに販売する時の価格(再販売価格)を維持させたり、
販売地域を不当に割り当てたり、
競業他社の商品の取り扱いを制限する場合等に問題になり得ます。

契約内容の詳細を協議される前には、
気をつけるべきポイントを
事前に弁護士と検討されることをお勧めします。

 

2 契約書作成段階

代理店契約は、個別の売買契約の基本条件を定める意味があります。

ですから、個別の売買契約の締結方法や支払方法を定めることはもちろんですが、
例えば所有権の移転時期・危険負担についても取り決める必要があります。

代金を支払った時に所有権が移転するのならスッキリします。
けれども、商品の「引渡」と同時に
危険が移転すると定める代理店契約も少なくありません。

危険負担とは何でしょうか?

例えば、商品引渡後・代金支払前に、
地震など売主・買主の責に帰さない原因で商品が滅失、毀損した場合です。
引渡と同時に危険が代理店側に移転するならば、
商品が壊れても代金を支払わなければなりません。
大量の取引が予定されているような場合には影響は特に深刻ですので、ご留意下さい。

また、知的財産権に関する条項も大切です。

取扱商品について、第三者が特許権を主張して
販売代理店に損害賠償を請求してきた場合にどうするか。

売主に損害の補填を請求できるように取り決める必要はないでしょうか。

販売促進目的の商標権の使用がどこまで認められるのかも、
事前に取り決めておくべき事項です。

対象商品に欠陥が見つかった場合などに、
代理店契約を解除できるのかも事前に確認しておくべき事項です。

 

3 まとめ

契約書を作る際には、
様々なトラブルを事前に想定して、それに備える必要があります。

特に継続的な取引が予定されており、
取引金額も多額になる可能性がある企業間取引は、
経営に大きな影響を与える場合もありますので、
専門家に相談されることを強くお勧めします。

執筆者プロフィール
弁護士紹介|森岡 真一(副所長)弁護士 森岡真一 >>プロフィール詳細
交通事故と企業法務に注力している。
交通事故は,年間相談件数104件(受任件数75件)(※直近1年間)の豊富な経験を持つ。
後遺障害の等級アップについても、多数の実績を持つ。
企業法務分野に取り組む際には、『経営者のパートナーとして会社を良くしていく』という姿勢を一貫しており、企業の『考え方』を共有し、寄り添うことを大切にしている。

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