2020年01月16日

【企業法務】同一労働・同一賃金について

「同一労働同一賃金」って何?

今年(2019年)4月から順次施行されている働き方改革関連法には、正社員と非正規社員との間の不合理な待遇差の禁止が定められています(大企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月から)。

これが、いわゆる「同一労働・同一賃金」と言われているものです。

正規社員と非正規社員(有期雇用、パートタイム、派遣労働者)

同じ会社で働いているのに、いわゆる正規社員と非正規社員(有期雇用、パートタイム、派遣労働者)との間には、給与はもちろん、福利厚生等を含めて様々な待遇さがあることが指摘されてきました。

今回の「同一労働・同一賃金」というのは、正規と非正規の間の不合理な待遇差の解消を目指した規定です。

具体的には、

不合理な待遇差をなくすための規定の整備

同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに、不合理な待遇差を設けることが禁止されます。

これには、二つの側面があります。

(1)不合理な待遇差の禁止

①職務内容や責任の程度、

②配置の変更の範囲、

③その他の事情

の違いに応じた範囲内で待遇を決定する必要があり、①〜③の違いの範囲を超えた不合理な待遇差が禁止されるというものです。

(2)差別的取扱いの禁止

①職務内容や責任の程度

②配置の変更の範囲

が同じであれば待遇を同じにする必要があるというものです。

それぞれ要素ごとに見てみましょう。

 ①基本給 

基本給には、能力や経験に応じたものや、業績や成果、あるいは勤続年数に応じて支払うものなど様々な趣旨や性格のものがありますが、これらが同じであれば同一の基本給を支払わなければなりませんし、違いがあれば違いに応じた基本給を支払わなければならないということです。
昇給も同じように考えられます。

 ②賞与 

会社の業績への貢献に応じて支払われるものについては、貢献が同じであれば同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければなりません。

 ③各種手当 

役員手当 同じ内容の役職であれば同じ支給を。内容が異なるのであれば違いに応じた支給をすることになります。
深夜・休日手当の割増率、通勤手当、出張旅費、単身赴任手当地域手当等は同一にする必要があります。

 ④福利厚生施設の利用等 

食堂、休憩室、更衣室といった福利厚生施設の利用、転勤者用社宅、慶弔休暇は同じように利用を認めなければならないとされています。
病気休職は、無期雇用であれば正規社員と同じ、有期雇用であっても労働契約が終了するまでの期間をふまえて同じように付与する必要があります。
教育訓練は、現在従事している職務に必要な技能知識を習得するために行うものであれば、同じ職務については同じ訓練が行われる必要がありますし、違いがあればそれに応じた訓練を行わなければならないとされています。

正規社員と非正規社員との間に、賃金の決定基準やルールに違いがある場合には、将来の役割が違うというような抽象的な説明ではなく、職務内容、配置の変更範囲等の客観的な具体的案事情に照らして不合理であってはならないとされています。

非正規社員は、「正社員との待遇差の内容や理由」など待遇について説明を求めることができるようになります。非正規社員から求められれば、事業主は説明をしなければなりません。

派遣労働者については次回、ご説明したいと思います。

執筆者プロフィール
弁護士紹介|柴田 未来弁護士 柴田未来 >>プロフィール詳細
北海道生まれ。
アメリカ留学や阪神大震災を経て,人生観が変わった経験を持つ。
弁護士になってからは著作権法の改正活動や通訳・翻訳などの幅広い活動を行ってきた。
平坦な人生ではなかった自身の経験を生かし人生の困難に寄り添う弁護を目指している。
現在は「夫婦問題」「成年後見」「海外案件」に注力している。
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