【新型コロナウイルス】感染者が来院したらどうする?
医療・福祉施設に、コロナウイルス感染者が来院した場合にどう対応すればよいのか、Q&Aでお答えします。
A1 世界中では、新型コロナウィルスの感染が確認された人は240万人を超えたようです。日本でも、およそ11,000人の方が感染を確認されました。(4月21日現在)
このように感染が拡大すると、そのような人たちを受け入れる病院は、苦しい対応を迫られていると思います。
A2 病院には、来院した患者を、基本的には断ってはいけない義務があるのです。そのため、新型コロナが疑われる人が来て院内感染するのでは、と心配する病院は多くあります。ただ、このような状況ですから、病院によっては断らざるをえないこともあるでしょう。
また、検査で陽性が確認された場合の対応について、未だ確立された治療方法がないため、どのような対応をすればいいのか、判断に迷われる医師もいるのではないでしょうか。
A3 今はまだ何とかなっているようですが、緊急事態宣言が出された現在では、臨時の医療施設が開設される可能性もあります。この施設は、通常の病院よりも緩やかな基準で開設されるため、医療の環境としてベストとはいえません。
このような緊急時に、患者が重症化したり、最悪の場合に至ってしまったときには、病院側のミスではないかと、トラブルになる可能性が高まるでしょう。また、福祉施設でも同様なトラブルになりえます。
A4 まず、新型コロナウィルスに感染した人のケースを考えますと、これは確立した治療方法がまだありません。そのため、懸命にされたものの治療の効果がなかった、というだけではミスとはいえないでしょう。このようなケースでは、厚生労働省がQ&Aや手引きを出していますので、参考にされるといいと思います。
それ以外の病気でも、病院のスタッフが足りないなどで、十分な治療がされなかった、あるいは病気や事故を見逃されたと、トラブルになるケースも考えられます。このような場合は、病院や福祉施設側の事情、患者側の事情、流行の程度や政府の要請の内容といったことから、病院側に責任があるのかを判断することになるでしょう。
A5 そうですね。患者さん側も大変辛い目に遭ったと思いますが、病院や施設側も助けようと懸命にされているところがほとんどです。世界中が大変な状況ですから、互いに納得できる解決を目指して、困難を乗り越えていけたらと思います。
1987年福井県生まれ。
債務整理やインターネットトラブルに注力している。
相談に来られた方が叶えたい希望はどこにあるのか、弁護士である前に1人の人間として、その人の心に寄り添って共に考えることを心がけている。