2020年04月07日

【新型コロナウイルス】緊急事態宣言 ~今後の生活どうなる?~

緊急事態宣言の発出

4月7日,政府から緊急事態宣言が発出されました。期間はひとまず5月6日までと,ゴールデンウィークが終わるまでということにされました。

以前からこの緊急事態宣言が出されるのではないか,と言われていましたが,これによって私たちの生活はどうなるのでしょうか。

今回は,緊急事態宣言によって変わるところと,変わらないところについて,お話ししたいと思います。

緊急事態宣言とは?

今回発出された緊急事態宣言は,2020年3月13日に成立した,いわゆる新型コロナ特措法に基づくものです。

この新型コロナ特措法は,じつは2013年に施行されたもので,当時流行した新型インフルエンザの対策を定めていました。その際にはとくに使われなかった法律ですが,現在は新型コロナウィルスに対応するために使われています。

緊急事態宣言を出すにあたっては,2年以内の期間と,一定の地域を指定しなければなりません。そのため,指定された地域以外の地域では,緊急事態宣言の影響を直接受けることはありません。

そして,緊急事態宣言が出された場合にできることは,主に4つです。

(1)緊急事態宣言が出された市町村への対策本部拡大設置
(2)感染症蔓延の防止のための措置
(3)医療の確保のための措置
(4)社会の安定に関する措置

このうち,私たちの生活に影響があるのは(2)~(4)ですので,順番にみていきましょう。

 

(2) 感染症蔓延の防止のための措置

感染症蔓延の防止のための措置 は,都道府県知事による協力要請と予防接種の実施の2つが予定されています。このうち,協力要請の内容としては,①住民に対する外出制限の協力要請や,②施設の使用の制限やそこでのイベントの制限が挙げられています。

①の外出制限の協力要請は,要請といっても強制力はなく,従わなくても罰則はなく,あくまで行政からのお願いということです。
②の施設の使用やイベントの制限は,以下のように,対象となる施設は多岐にわたります。

<対象となる施設>

条件:無条件
・小中学校や高校
・保育所
・社会福祉施設(デイサービスなど)
条件:一定以上の大規模な施設に限る
・映画館・劇場
・集会場・展示場
・百貨店
・スーパーマーケット
・ホテル・旅館
・体育館やプールなどの運動施設
・博物館や図書館
・ナイトクラブ
・自動車教習所
・学習塾

施設のうち,学校と保育所,福祉施設については無条件ですが,その他の施設については一定以上の大規模な施設に限られます。緊急事態宣言後は,これらの施設や利用者に対し,使用を制限したり,そこでのイベントの開催の自粛を求めることができるようになります。

施設の管理者やイベント開催者が,正当な理由がないのに協力要請に従わない場合には,一定の入場制限や手指の消毒等の措置をするよう指示することができます。

なお,協力要請や指示を行った場合は,そのことが公表されます。このうちの指示が公表されたということは,行政の協力要請に従わなかったということになります。この公表は罰則ではなく,施設の閉鎖を周知し混乱を防ぐのが目的だとされています。

 

(3)医療の確保のための措置

医療の確保のための措置については,医療サービスや薬品の提供の確保と,臨時の医療施設を開設することができるとされています。

臨時の医療施設のための土地や建物,付属の設備については,所有者の同意を得て使用することができるます。しかし,正当な理由がないのに同意を拒んでいる場合や,所有者がどこにいるかわからないような場合には,同意なしに不動産や物資を使用して開設することができることになっています。
現在のところそこまでの事態ではないようですが,もし必要となった場合には,営業をしていないホテルや廃校となった学校の利用が考えられているようです。

 

(4)社会の安定に関する措置

社会の安定に関する措置としては,電気や水道といった社会インフラの確保,一定の物資の配送・保管・売渡しの要請,公的な金融機関による融資の配慮などができるとされています。

これらのうち,物資の売渡し要請については,対象は衛生用品,食品,燃料等です。マスクやアルコール消毒液といったものも,この中に含まれるでしょう。
売渡しの要請に対して,その所有者が正当な理由がないのにこれを拒んだ場合には,強制的に物資を収用することが可能となっています。また,物資の保管についても強制力があります。

緊急事態宣言による生活の変化

以上のように,緊急事態宣言が出されても,外出制限の強制はなく,道路の封鎖や交通機関の営業停止といったことはできませんから,諸外国でされたようなロックダウン(都市封鎖)をするようなこともありません。ライフラインや交通・運送については,むしろ確保するように政府が動きますので,法律上は,緊急事態宣言によって日常生活が規制されることは少ないということになっています。

他方で,施設の所有者やイベント事業者,医療施設のために使用される不動産の持ち主,衛生用品の製造販売業者といった,一部の人にとっては,営業や財産の使用を制限される可能性があります。イベント等を自粛したことによる損失の補償については何も定められていませんので,打ち出される支援策を利用できないか検討する必要があると思います。

また,これまでになかった「緊急事態宣言」というものが出されたことからの,本来の緊急事態宣言が持っている法的効力を超えた影響が大きくなることも予想されます

お住いの地域に緊急事態宣言が出されることがあったとしても,正しい知識をもとに行動することが大切と思います。



執筆者プロフィール
弁護士紹介|森長 大貴弁護士 森長大貴 >>プロフィール詳細
1987年福井県生まれ。
債務整理やインターネットトラブルに注力している。
相談に来られた方が叶えたい希望はどこにあるのか、弁護士である前に1人の人間として、その人の心に寄り添って共に考えることを心がけている。
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