2020年04月14日

【新型コロナウイルス】使用者が従業員を休ませた場合の給料は?

コロナウイルスの影響で従業員を休ませた場合の給料について

Q1 新型コロナウイルスに感染した従業員などを休ませる場合、給料や休業手当の支払いはどうなるのでしょうか。また、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。
まずは、新型コロナウイルスに感染した従業員が、仕事をしたいと言っている場合、使用者は、出社を拒否できるのでしょうか?
A1 使用者は、出社を拒否できます。使用者は、他の従業員の安全を確保するために、新型コロナウイルスに感染した従業員を働かせることによって、職場内で新型コロナウイルスが蔓延するというような事態は避けなければなりません。
Q2 新型コロナウイルスに感染した従業員を休ませるとして、給料や休業手当の支払いはどうなるのですか?

A2 まずは、厚生労働省のホームページ(令和2年3月29日時点)では、「新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就労制限により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責めに帰すべき休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を払う必要はありません。」とされています。

そうすると、新型コロナウイルスに感染した従業員を休ませた場合は、給料や休業手当を払う必要はないと考えられます。

ただし、このような場合、労働者が、労働者自身の判断で、有給休暇を取得する可能性があり、その場合は、当然ですが給料の支払い義務が生じます。

また、会社内部で従業員に感染させてしまった場合は、当然には、給料や休業手当を支払わないということはできないでしょう。

Q3 従業員が新型コロナウイルスに感染した場合、使用者として、確認すべきことがらは何でしょうか?

A3 従業員が新型コロナウイルスに感染した場合、感染源がどこかを確認する必要があります。

また、職場内における感染の場合は、職場内で感染拡大防止の措置をとっていたかどうかがポイントになりますので、そのあたりの事情を確認する必要がありますし、今後の感染拡大を防ぐためにも、今から職場内で感染防止の対策をとっておく必要があります。

Q4 従業員が、海外渡航または感染者との濃厚接触により、新型コロナウイルスに感染したと疑われる場合、使用者はどうすればいいでしょうか?

A4 感染が疑われる従業員がいる場合、まずは、帰国者・接触者相談センター」で相談するように促してください。

Q5 「帰国者・接触者相談センター」での検査の結果、感染していた場合は、どうなりますか?

Q5 従業員の感染が発覚したとすれば、休ませるしかありません。この場合、通常は給料や休業手当を払う必要はないと考えられます。

ただし、会社が従業員に海外出張をさせ、その出張中に感染した場合、職場内にいた濃厚接触者から感染してしまった場合は、会社に責任がないとは言えないのではないでしょうか。

Q6 検査の結果、感染しておらず、仕事ができる場合はどうですか?

A6 濃厚接触者であることなどを理由に、大事をとって休ませる場合は、使用者の判断による休業ですので、休業手当の支払いが必要だと考えられます。

そうはいっても、在宅勤務が可能な業種であったり、在宅で行える職務があるのなら、在宅勤務を命じるという方法もあり得ます。

Q7 最後に、新型コロナウイルスに感染したことは明らかとは言えませんが、従業員が、熱を出した場合は、どうすればいいでしょうか?

A7 熱などの症状のため、働けない状態であれば、従業員が労務提供をできないということですので、新型コロナウイルスの問題とは関係なく、給料は払わなくてよいと考えられます。

ただし、従業員は、病気休暇や有給休暇を使うと思います。

これに対して、多少の熱があるものの、十分働けるが、大事をとって休業させるというケースは、判断が難しいと言えます。

例えば、37度5分以上の熱がある熱業員を、一律に休業させるという取り扱いをした場合、使用者の自主的な判断で休業させることになりますから、休業手当を払う必要があると考えられます。

この場合も、在宅勤務が可能なら、在宅勤務をしてもらうことが考えられます。

Q8 最後に、今回のまとめをお願いします。

A8 今回、いくつか場合分けをして、事例を検討してきましたが、現実的には、使用者の皆様は、もっと難しい判断を迫られることになろうかと思います。

新型コロナウイルスに伴う休業の問題について、簡単に正解を出すことは難しいと思いますが、専門家を交えて議論を尽くすことによって、より妥当な判断が可能になると思われます。弁護士への相談もご検討ください。

執筆者プロフィール
弁護士紹介|太田 圭一弁護士 太田圭一 >>プロフィール詳細
1981年滋賀県生まれ。
離婚問題や相続問題に注力している。
悩みながら法律事務所を訪れる方の、悩み苦しみに共感し、その思いを受け止められるように努めています。
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