2019年06月20日

【企業法務の事例】インターネットに「ブラック企業」などと書かれてしまったご相談

ご相談の内容

業務を委託する場合、個人情報をどう扱うべきかわからない2ちゃんねるの掲示板に,当社に関する掲示板があるのを発見したのですが,
そこに「社員はみんなやめてくし,ブラック企業決定!ブラック企業」とか
「サービスが最悪ゴミみたいな材料使ってるくせに値段がぼったくり。」,
「2度と行きたくないこんな仕事,常識的にありえないだろ」などとでたらめなことが書かれていました。

このままではお客さんに影響が出かねませんので,このような悪質な記事を削除させたいです。

解決への道すじ

本件は明らかに会社に対する名誉棄損であり,営業妨害の書き込みでしたので,早期に削除する必要がありました。

インターネット上の掲示板では,掲示板を運営する業者に対して,問い合わせや要望を伝えるフォームがあることがあります。

2ちゃんねるでも,掲示板の運営者に削除を求めるには,専用のフォームを通じてするよう利用規約に書かれています。

しかし,2ちゃんねるでは,企業に関する誹謗中傷は基本的に放置すると明言しています。
そのため,たとえ2ちゃんねるのフォームで企業が請求を行ったとしても,これに応じて削除することはありません

そこで,2ちゃんねるに対する記事の削除請求の仮処分を,裁判所に申立てることにしました。

仮処分は,通常の裁判が最低でも半年程度はかかるのに対し,数週間程度で終わる裁判手続きです。
インターネット上の記事による名誉棄損は,会社の信用を低下させるような書き込みが全世界に公開されている点で被害の範囲が大きく,早めに対処する必要がありますので,仮処分で削除を求めることが認められています。
この件は,会社の労働環境や,業務のやり方に関する書き込みでしたので,書き込みがでたらめなことを示すために,社内の資料を裁判所に提出する必要がありました。
そこで,会社にも協力してもらい, 内規や勤怠表,マニュアル,報告書など,できる限りの資料を集め準備し,1週間ほどで申立てをすることができました。
その後,2週間ほどで削除を認めるとの判断がされました。
仮処分の場合,迅速な手続きである分間違いがあるといけないので,万一相手方に損害が生じた場合の賠償保証金を法務局に供託する必要があります。
供託する金額は裁判所の決定で決まりますが,書き込みの削除であれば,ほとんどの場合は30万円です。
本件でも,30万円を供託して ,削除の命令が出されました。
2ちゃんねるの運営会社はシンガポールの会社だとされていますが,活動実態がまるでなく,いわゆるペーパーカンパニーだといわれています。
そのため,裁判所の命令が出ただけでは,2ちゃんねるは記事の削除をしないので,2ちゃんねるのサイトの掲示板上に,裁判所の命令書の画像をアップするとともに,削除の要望を出します。
本件でも,一部をマスキングした裁判所の削除の命令書の画像をアップして,1週間ほどで削除されたことが確認できました。
削除が確認できた段階で,供託した保証金は取り戻すことができます
そこで,保証金の返還の手続きをして,無事30万円の返還を受け,本件は終了しました。
本件は,書き込みの発見が早く,また資料の収集に会社が積極的に協力して早くできたために,1ヶ月程度と比較的早期に削除させることができました。
気がかりな書き込みを見つけられたときは,インターネットに詳しい弁護士にお早めに相談されることをおすすめします。

執筆者プロフィール
弁護士紹介|森長 大貴弁護士 森長大貴 >>プロフィール詳細
1987年福井県生まれ。
債務整理やインターネットトラブルに注力している。
相談に来られた方が叶えたい希望はどこにあるのか、弁護士である前に1人の人間として、その人の心に寄り添って共に考えることを心がけている。
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