2019年05月23日

【交通事故】後遺障害非該当でも新たな検査をして,認定と慰謝料増額になった

ご相談の内容

交通事故の被害に遭われた方から相談がありました。

40代の女性で,歩行中に交通事故に遭って,手に怪我をしました。
 半年以上,病院に通院したのですが,完全に治らず,右手の親指を動かしずらくなりました。 

そこで, 後遺障害の申請をしたのですが,後遺障害非該当(後遺障害が何もない)という判断がなされました。  右手の親指が動かしずらくなっているのに後遺障害がないという判断にはとても納得できないということで,当事務所に相談に来られました。

解決への道すじ

後遺障害の認定に問題がある場合には,自賠責保険に対する異議申立を行います。
異議申立をするためには,既になされている後遺障害非該当という判断のどこが間違っているかということを指摘する必要があります。

自賠責保険の認定では,「他覚所見」といって,レントゲンなどの客観的な検査の結果で何も異常が見られないと判断されていました。

相談者の検査結果等の資料を確認したところ,レントゲンは撮影されていたのですが,MRIの撮影がなされていませんでした。
レントゲンでは分からない異常でも,MRIであれば異常を見つけることができることもあります。

そこで,相談者に病院でMRIを撮影してもらって,MRIの画像を受け取り,協力してくれる医師に確認してもらいました。
そうしたところ,レントゲンでは確認できなかった異常が見つかりましたので,MRI画像の異常が見られた箇所を指摘して,異議申立を行いました。

その結果, 後遺障害非該当だったのが,後遺障害等級12級に認定されまして,損害賠償金が約700万円の増額となりました。 

今回のように MRI画像を撮っていないなど,検査が不十分なために後遺障害の認定がなされていない場合もあります。 

 その場合には,新たな検査を行って,後遺障害の異議の申し立てを行っていくことで適切な後遺障害の認定が得られることがあります。 

執筆者プロフィール
弁護士紹介|森岡 真一(副所長)弁護士 森岡真一 >>プロフィール詳細
交通事故と企業法務に注力している。
交通事故は,年間相談件数104件(受任件数75件)(※直近1年間)の豊富な経験を持つ。
後遺障害の等級アップについても、多数の実績を持つ。
企業法務分野に取り組む際には、『経営者のパートナーとして会社を良くしていく』という姿勢を一貫しており、企業の『考え方』を共有し、寄り添うことを大切にしている。
2019年05月23日 | Posted in 【個人】交通事故, 個人の解決事例, 全記事, 森岡真一の記事一覧, 解決事例 | | Comments Closed 

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