2020年11月10日

【交通事故】後遺障害事案の示談交渉で400万円増額となった事例

ご相談の内容

横断歩道を歩行中に右折してきた自動車にはねられ、背骨を骨折して救急搬送されました。

約6週間入院し、退院後も1年近く通院しましたが、腰から背中にかけての強い痛みが残りました。

 日常生活で色々な動作をするたびに痛みを感じ、仕事にも支障が出ていました。 

しばらくして、保険会社から賠償額の提示がありました。

保険会社からの提示は、私が400万円を受け取って示談するという内容でしたが、 以前と同じように働くことができなくなったのに、この金額で示談して今後生活していけるのか、とても不安です。 

提示された金額から増額してもらう余地はないのでしょうか。

解決への道すじ

保険会社の提示額を確認すると、まず、逸失利益が低く提示されている事が分かりました。

相談者の後遺障害は「脊柱の変形障害」といわれるものでした。これは、人によっては痛みが残らない場合もあり、また、仕事の内容によってはあまり影響がない場合もある後遺障害です。 脊柱の変形障害となっても痛みが残らないというのは、よくあるケース です。

保険会社としては、仕事にそれほど影響が出ないという前提で、労働能力喪失期間(後遺障害が仕事に影響を与える期間)を短く設定し、逸失利益の金額提示をしたのだと思います。

しかし、相談者の場合、様々な動作のたびに痛みが出ていました。また仕事の内容も、重い商品を持ったり、立ったりかがんだりを繰り返す事が頻繁にある仕事で、作業のたびに痛みが出るため、他の従業員に依頼しなければならなかったり、勤務日数も以前より減っていました。

そこで、保険会社との間で、相談者は変形障害によって痛みが生じていること、仕事でも立ったりかがんだりを繰り返す必要があり、また重いものを持たなければならず、仕事に支障が出ていることを詳細に主張して交渉したところ、労働能力喪失期間が倍(5年から10年)になり、 逸失利益の金額が大幅に増額 しました。

また慰謝料についても、保険会社の提示額は、裁判所の基準よりもかなり低い金額でした。そこで、裁判所基準の金額を主張し交渉したところ、 慰謝料も大幅に増額 しました。

最終的には 400万円増額され、相談者が800万円を受け取って示談 することとなり、 ご相談から約2ヶ月間 で解決することができました。

このように、 逸失利益や慰謝料について、裁判所基準の賠償額を主張することで、当初の提示額より増額された条件で示談できるケースは少なくありません。 

「この提示額は本当に妥当なのだろうか」という不安のある方は、弁護士にご相談されることをおすすめします。



執筆者プロフィール
弁護士紹介|臼井 元規弁護士 臼井元規 >>プロフィール詳細
1990年愛知県生まれ。
交通事故に注力している。
『被害に遭った方の気持ちに寄り添う』ことをモットーとしており、
適切なスピード感を持って,相談者の悩みに誠実に応えるようにしている。
2020年11月10日 | Posted in 【個人】交通事故, 個人の解決事例, 臼井元規の記事一覧, 解決事例 | | Comments Closed 

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