2017年06月01日
【企業法務の事例】辞めた社員の競業行為「不正競争に関する事例」
ご相談の内容
ある印刷会社から相談がありました。辞めた社員が、同業他社に移り、競業行為をしている、何とか止めさせられないか、という相談でした。
聞いてみると、就業規則には、退職後競合する同業他社への就職を制限する規定は置いておらず、入社時にも退社時にも、そのような行動を制限する誓約書に署名押印させたこともない、とのことでした。
また、顧客名簿は社員であれば誰でもアクセスできるようになっていて、秘密情報として管理されていないことが分かりました。これでは、職業選択の自由や営業の自由が認められている現行法の下では、制止するのは困難である旨、アドバイスするしかありませんでした。関係する規定を整備しておけば、予防できたのに、と悔やまれた事例でした。
執筆者プロフィール
弁護士 小堀秀行 >>プロフィール詳細
30年以上に渡って,企業からの様々な相談を受けている。
顧客対応やクレーム処理,債権回収など,時代によって対応に変化が必要であり,最近はSNSなどを意識した対応に心がけている。
30年以上に渡って,企業からの様々な相談を受けている。
顧客対応やクレーム処理,債権回収など,時代によって対応に変化が必要であり,最近はSNSなどを意識した対応に心がけている。
2017年06月01日 | Posted in 【企業法務】雇用問題, 企業法務の事例, 全記事, 小堀秀行の記事一覧, 解決事例 | タグ: 不正競争, 社員, 競業行為 | Comments Closed