2019年02月19日

36協定とは②  適用除外される3つのケース

1 36協定について

使用者は、労働者に対し、1週間では40時間を超えて労働させてはならず、1日については8時間を超えて労働させてはなりません(労働基準法32条)。
これを超えて働かせた場合には、刑事罰もあります(6か月以下の懲役刑か30万円以下の罰金刑)。

その例外として、法36条の36協定(さぶろくきょうてい)を結んでおいた場合に、初めて、使用者は、上記の時間を超えて働かせても処罰されないことになっているのです。

ただし、いくら36協定を結んだとしても、残業時間に応じた割増賃金(残業代)の支払は必要です。

2 適用除外される3つのケース

このように、原則として残業はさせてはならないのですが、36協定を結んだとしても、残業をさせることができない場合があります。
今回はその適用除外について説明します。

適用除外は、次の三つです。
それが、①18歳未満の労働者の場合、②妊産婦から請求があった場合、③育児、介護を行う労働者から請求があった場合です。
順次説明しましょう。

3 18歳未満の労働者の場合について

労働基準法における、年少者(18歳未満)について、次のとおり、残業や労働時間を厳しく制限しております。
その扱いは、年齢により若干異なりますから、場合を分けて説明します。

(1) 「15歳~18歳」(正確には※1のとおり)
「15歳~18歳」(※1参照)の青少年は、就労させることはできますが、残業をさせることはできません。
これは、本人の希望は関係ありませんので、本人が希望しても、残業させることはできないのです。

ただし、一週間の労働時間が40時間以下に抑えた場合で、かつ、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に抑えた場合は、その週の別の日に10時間まで就労させることができます。

また、変形労働時間制で一定の要件を満たした場合は、48時間まで就労させることができます(ただし1日は8時間以内です)。

(2)「13歳~15歳」(正確には※2のとおり)
「15歳」(※1参照)以下は、原則として就労させることはできません。

ただし、製造業や建築業などを除く比較的軽易な職種で児童の健康や福祉に有害ではない業種については、例外的に、監督署の許可を得ることによって、13歳以上であれば就労させることができます。新聞配達等はその一例でしょう。

ただし、その場合の労働時間は、修学時間と合わせて、1日7時間以下、1週間では40時間以下、となっております(法60条Ⅱ)。

(3)13歳未満
13歳未満の年少者は、原則として就労させることはできませんが、映画の製作や演劇の事業についてのみ、就労させることが可能です。この場合も、監督署の許可が必要です。
その場合の就労時間は、「13歳~15歳」の場合と同様です。

※1 ここで言う15歳は、15歳に達した日以後最初の年度末(3月31日)が終了した者、というややこしい表現になっています。要は、中学生のうちは原則就労は認めない、ということです。

※2 ここで言う「13歳~15歳」は、13歳以上で、かつ、15歳に到達した日以後最初の年度末までです。趣旨は、※1と同じです。

4 妊産婦から請求があった場合

妊産婦についても、労働基準法にて、過度な負担がかからないよう、次のとおり、労働時間が配慮されます。
ここで言う妊産婦とは、妊娠中の女性と産後1年を経過しない女性です。
すなわち、妊産婦については、36協定があっても、残業させることはできませんし、休日労働や深夜労働もさせることができません(法66条ⅡⅢ)。

また、変形労働時間制を採用している場合でも、1日40時間、1週間40時間を超えて労働させることができなくなります(法66条Ⅰ)。
これはあくまで、妊産婦から請求があった場合です。中にはその時期でも残業したい妊産婦もあるでしょうから、妊産婦の意思を尊重することになっています。

5 育児、介護を行う労働者から請求があった場合

小学校就学前の子どもの育児又は家族介護を行う者については、請求があれば、1月について24時間、1年について150時間を超えて労働時間を延長することはできません(育児・介護休業法17・18条)

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