2019年03月18日

36協定とは③ 作成・届出と違反罰則

1 36協定について

使用者は、労働者に対し、1週間では40時間を超えて労働させてはならず、1日については8時間を超えて労働させてはなりません(労働基準法32条)。

また、週に1日は休日を与えなければなりません(法35条1項)。

ただし、その例外として、法36条の36協定(さぶろくきょうてい)を結んで、それを行政官庁(労働基準監督署)に届出した場合に、初めて、使用者は、上記の時間を超えて働かせることができますし、休日労働もさせることができます(他にも、変形労働時間制を採用した場合等の例外はあります)。

ただし、いくら36協定を結んだとしても、残業時間に応じた割増賃金(残業代)の支払は必要です。

では、協定は具体的にどのように作成するのか、作成した後はどうすればよいのか、違反した場合はどのような罰則があるのか、について説明致します。

2 36協定の作成要領―協定の当事者について

36協定は、使用者と労働者側との書面による協定です。労働組合がある会社と労働組合のない会社とでは、協定の当事者が変わって来ますので、注意が必要です。 

まず、労働組合のある会社の場合ですが、労働組合にもいろいろな種類があります。企業内の組合もあれば、企業横断的な組合もあります。36協定は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があれば、その組合と協定をすればよいです。

しかし、労働組合がない事業場の場合は、労働者の過半数を代表する者との協定書を作成しなければなりません。労働者の過半数代表者の選出方法については、選挙等の民主的な手続で選出しなければなりません。

民主的な手続とは、挙手等の選挙で決める、ということです。その選出過程では、使用者側に立つ者は労働者の代表者になれませんし、選出過程で使用者側が関与してはなりません。ですから、労働者だけで集まって、選挙で決める、ということです。

3 36協定の作成要領―協定内容について

協定内容については、厚生労働省のHPに書式のサンプルがありますので、こちらをご参照下さい。
また、その記載例とその説明もありますので、参照して下さい。
この記載例には、今回の働き方改革関連法として成立した残業規制も反映された内容となっております。

この改正法によって、これまで厚労省の告示に委ねられていた残業規制の限度時間が、労働基準法本体に明記されました。

それによると、特に重要なのは、1か月の残業時間が100時間以下でなければならないことと、また、2か月ないし6か月間の各月の残業時間の平均は、いずれも80時間以下でなければならない、ということです。

また、そもそも、月間の原則的な残業限度時間は45時間なのであって(これは現行法も同じですが、規定はあくまで告示にあるのみです)、それを超える残業時間は、「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に・・・(45時間を超えて)労働させる必要がある場合」に限定されております。
その他、改正事項の詳細や、36協定届の記載事項の詳細は、次回以後にご説明します。

4 届出

36協定は、そのサンプルの表題が「協定届」とありますように、労働基準監督署長への届出が必要です。届出がされて、初めて効力を生じます(労基法36条1項)。せっかく作成しても、届出がなされなければ、一切効力を生じません(残業をさせられないことになってしまう)ので、ご注意下さい。

5 罰則

この36協定届を届出せずにいた場合、残業させることができませんから、その状態で残業させれば、労働基準法32条違反となり、懲役6月以下又は罰金30万円以下の刑罰法規に触れることになります。
その場合、労働基準監督署の監督官には、取り調べをして刑事事件として立件し、検察庁に送る権限があります。警察署の刑事と同様の捜査権限が認められている、ということです。違反した上に、証拠隠滅をしようとしたり、逃走を試みたりすると、最悪の場合、逮捕ということになりかねませんので、ご注意下さい。

 

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