2019年03月18日

債権・売掛金回収の方法「時効と時効前の対処法」

1 時効について

民法は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しない場合、または権利を行使することができる時から10年間行使しない場合、債権は時効により消滅すると定めています(消滅時効・民法166条1項。実務上は、「権利を行使することができる時」と「権利を行使することができることを知った時」とが重なることも多いです)。

交通事故のような不法行為の損害賠償請求権については,事故による損害と加害者を知った時から3年で消滅時効になります(なお、交通事故で怪我をした場合など、他人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償請求権については、損害と加害者を知った時から5年で消滅時効になります)。

消滅時効制度の詳細については、こちらのコラムをご参照下さい。

2 時効が迫っている時にするべきこと

では、債権者が、消滅時効期間がまもなく満了する債権をもっている時に何をしたら良いでしょうか。
民法は、時効の完成が一定期間猶予される「時効の完成猶予事由」、時効がリセットされて新たに時効期間が始まる「時効の更新事由」を定めています。
例えば、訴訟提起をすると、訴訟係属中は時効の完成が猶予され、判決が確定すると時効期間が更新されて、新たに時効期間が始まります。
しかし、こういった裁判所が関与する方法の場合、時間や費用がかかります。

そこでよく用いられるのが、債務者から債務の「承認」を得る方法です。
当該債務について新たな弁済期を定める合意をするとか、債務の一部を支払うことがこれにあたります。債務者が債務の支払の猶予を求めることもこれにあたります。
債務者が「承認」をすると、時効期間がリセットされ、新たに時効期間が始まります。時効完成猶予または更新事由が発生した事実、そしてどの債権について時効が更新されたのかなどを明確にするため、合意書や支払猶予願い等の書面を作成することが強く望まれます。

さらに、もう一つ、時効の期間を延ばす方法として、「催告」(裁判外の請求・民法150条)が考えられます。
催告というのは、裁判外で債権の支払を請求することですが、催告の事実及び日付を証明するために内容証明郵便をもって行うべきです。
催告をすると、時効の完成が6か月間、猶予されます。
しかし、催告をしても時効期間が更新されることはありません(6か月間、時効期間が延長されるだけです)。また、何度も催告を繰り返すことはできず、一度、内容証明を送った後、再び内容証明郵便を送っても、再度の延長はできません。

以上、時効についてご説明致しました。
日頃の業務に負われていると、うっかり消滅時効が完成してしまうことがあります。
未回収の売掛金などがある場合には、どうぞお気軽にご相談下さい。

弊所では売掛金の内容に争いがないケースで,140万円未満のものについては,訴訟提起の着手金を一律5万円(税別)とし,回収できた場合には成功報酬として回収額の20%を支払って頂くメニューを用意していますので、こちらをご参照下さい。

執筆者プロフィール
弁護士紹介|森岡 真一(副所長)弁護士 森岡真一 >>プロフィール詳細
交通事故と企業法務に注力している。
交通事故は,年間相談件数104件(受任件数75件)(※直近1年間)の豊富な経験を持つ。
後遺障害の等級アップについても、多数の実績を持つ。
企業法務分野に取り組む際には、『経営者のパートナーとして会社を良くしていく』という姿勢を一貫しており、企業の『考え方』を共有し、寄り添うことを大切にしている。
2019年03月18日 | Posted in 企業法務のお役立ちブログ, 全記事, 売掛金回収, 森岡真一の記事一覧 | タグ: , Comments Closed 

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