2018年11月27日

コンプライアンスとは「コンプライアンスの意味と概要」

企業経営にとってコンプライアンスは非常に重要です。
なぜなら,コンプライアンス違反により
会社が倒産の危機に直面するからです。

大企業であろうと中小企業であろうと関係ありません。

コンプライアンス違反をした企業の倒産件数は
平成28年に全国で250件にのぼります
(帝国データバンク)。

コンプライアンス違反として問題となるケースには
様々なものがあります。

最近の例では,
大手ゼネコンによるリニア新幹線工事の談合事件,
長時間労働による過労死(NHK)や過労自殺(電通),
三菱・スズキの燃費偽装,神戸製鋼の検査データ改ざん,東芝の不正会計,
個人情報の持ち出しと売却,
マスコミ関係者によるインサイダー取引などです。

ニュースにはなりませんが,
中小企業でもコンプライアンス違反により
経営危機に至るケースも少なくありません。

コンプライアンスとは?その意味と重要性

一般的にコンプライアンスは
「法令遵守」と説明されています。
データ改ざんなどは明らかに法令に違反する行為です。
しかし,法令には違反しないけれども,
大きな問題となることもあります。

平成18年にパロマガスの工事業者が
不正に改造したガス給湯器が原因となり
一酸化炭素死亡事故が
多数起きていることが発覚しました。
パロマ社は,
「不正な改造を行った工事業者の責任である」として
自社の責任を否定しました。

しかし,死亡事故を把握しながら公表せず,
対策を怠ったとして,
社会の批判が大きくなり,
最終的に社長は業務上過失致死罪で起訴され,
有罪判決を受けることになりました。

不正な改造を行ったのは工事業者であり,
法的責任は工事業者にあります。
また,死亡事故が起きたとしても
公表を義務づける法令もありません。

コンプライアンスを「法令遵守」と理解すると
パロマガス事件は
コンプライアンスとは
関係ないこととなってしまいますが,
社会はそのようには考えません。

死亡事故が発生したら,
その責任が工事業者であったとしても,
公表して対策を取るべきというのが誠実な対応であり,
社会は誠実な対応を要求しているのです。

そうするとコンプライアンスは
「法令遵守」と理解するのではなく,
「企業が誠実に事業運営を行うこと」
と定義するのが正しいのです。

その場合,誠実か不誠実かは,
消費者が判断するということを知らなければなりません。
会社目線では誤った判断をしてしまいます。

加えて,「誠実」の基準は変化していくことに
注意が必要です。
昔は当然に認められ,通っていたことが,
問題にされています。
過去の考え方が現在も通用するとは限らないのです。

また,違反事件には,明確な故意で行うものもあれば,
コンプライアンス違反という
ハッキリとした自覚がないものもあります。
データ改ざんや偽装事件は故意によるものです。

過労死,過労自殺,パワハラの問題は,
ハッキリとした自覚がない場合も少なくありません。

上司が部下に過大な成果を要求していながらも,
長時間労働や精神疾患を発症していることに
気づかなかったということもあります。

このように多様なコンプライアンス問題について,
正確に理解し,その対策を考えるには,
ケースを類型化して整理する必要があります。

そこで,以下の4類型にまとめてみました。

 

コンプライアンスの4つの種類

コンプライアンス違反その1
「社員が個人的な利益を目的として行うもの」

個人情報の売却やインサイダー取引は,
社員が個人的な利益を目的にしているものです。

金融機関の職員が
多額の横領事件を起こすこともこれに含まれます。

 

コンプライアンス違反その2
「不正を黙認する会社体質によるもの」

社長が不正を指示したのではありませんが,
幹部社員が「納期に間に合わせるため」とか
「不良品率を下げたいから」という理由で,
データ改ざんなどの不正を行う
というケースも少なくありません。

製造能力や管理能力を超えた量を受注し,
多少の不正は黙認するという会社の体質に原因があり,
幹部社員の自己保身も影響していると言えます。

 

コンプライアンス違反その3
「自覚が少ない不正行為」

先に紹介したパロマ事件も
コンプライアンス違反という自覚がないまま,
結果的に傷口を広げたケースです。

また,長時間労働により
社員が過労死,過労自殺するという
痛ましい事件が後を絶ちません。
上司は部下が死亡するという結果を
予測していませんでした。
自覚のないパワハラ,セクハラ,マタハラなども
これに含まれます。

 

コンプライアンス違反その4
「会社トップによる不正行為」

不正会計処理(粉飾決算)や談合事件の多くなど,
会社トップが不正を認識あるいは
指示しているケースがあります。
食品の産地偽装や消費期限の偽装など
社長の指示で行われていた事件もありました。

これらの類型ごとに具体的な事例を紹介し,
対応方法を説明したいと思います。

2018年11月27日 | Posted in 全記事 | | Comments Closed 

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