2018年11月27日

コンプライアンスの違反事例(自覚が少ない不正行為)

コンプライアンスの違反事例「電通事件」

平成27年12月25日、電通の新入社員の女性(24歳)が
電通の社員寮から飛び降りて自殺(過労自殺)しました。

この社員は4月に入社後、
インターネット広告を担当していましたが、
10月以降に仕事量が急増し,遺族側弁護士の推計によると、
1ヶ月の時間外労働は約130時間に達し、
過労死ラインといわれる80時間を
大幅に越えていたとのことです。

翌年9月30日、労働基準監督署はこの社員が自殺したのは
長時間労働によりうつ病を発症したのが原因と判断し、
労災を認定しました。

これを受け、東京労働局は労働基準法に基づき、
電通本社に労働基準法違反の疑いで家宅捜索を行いました。

12月28日、社員に違法な長時間労働をさせた上、
勤務時間を過小に申告させたとして、
東京労働局は法人としての電通と
自殺した女性社員の当時の上司を、
労働基準法違反の疑いで東京地方検察庁に書類送検しました。

そして,電通が会社として
労働基準法違反の罰金刑を受けることとなりました。

電通では長年に渡り,長時間労働が常態化しており,
それが悪いことであるという自覚がありませんでした。

有名な「電通鬼十則」には
「取組んだら放すな!殺されても放すな!」
と書かれており,命よりも仕事を優先するという社風があったと指摘されています。

コンプライアンスの違反事例
「財務省事務次官の女性記者に対するセクシャルハラスメント」

財務省の事務次官があるテレビ局の女性記者と
居酒屋で食事している際に
セクハラ発言があったとして大きな問題となり,
事務次官を辞職し,
退職金も減額されるという結果となりました。

本人は否定していますが,
財務省は調査の結果セクハラがあったと認定しています。

財務省の事務方トップという立場にある人物と,
情報を得たいとして接近するマスコミ記者との
力関係が背景にあります。

多少の不快な言動にも耐えて,
食事をともにしていたのでしょうが,
「自分に好意がある」と勘違いした可能性もあります。

しかし,このことによる影響は大きく,
事務方トップの問題により,
財務省の信頼が損なわれ,
今後の政策の推進に支障が出ると言われています。

コンプライアンスの違反 パワハラ

パワハラ事件やその疑いは,
役所や学校,民間会社などで指摘されており,
パワハラ自殺などは多数報道されています。

パワハラについて,厚生労働省は典型例をあげて説明しています。

(1)暴行・傷害(身体的な攻撃)

(2)脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)

(3)隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)

(4)業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)

(5)業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)

(6)私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

パワハラで多いのが,上司が部下の成績不良や
業務上のミスを注意する場面で生じています。

他の従業員が大勢いる前で,繰り返し同じ内容を注意したり,
人格を否定するような言い方で注意するなどして,
精神的に深い傷を与えてしまいます。

その結果,精神疾患を発症し,
最悪の場合自殺に至ることもあります。

コンプライアンス違反への対策「過重労働」

過重労働は重大な事件や事故に発展する問題であり,
社員のモチベーションが低下し,
生産性が低下することにもなります。

その結果,労働時間が長くなるという
悪循環になってしまいますので,
企業としては最優先に取り組むべき問題です。

実際に政府内でも働き方改革が議論されていますが,
時間外労働の削減は簡単ではありません。

人手不足の状況は改善される見通しがなく,
このままでは労働時間が長くなるだけです。

今やっている仕事の見直しをすることが大切です。

分かりやすく言えば,
今やっている仕事の一部をやめることです。
どれも必要な仕事と思いますが,
優先順位をつけて,きっぱりとやめましょう。

やめられないのであれば,外注するか,
ITなどで省力化を図る必要があります。

ずるずるしていては大変な結果を招きます。

コンプライアンス違反への対策「セクハラ」

セクシャルハラスメントには様々な態様があり,
定義も様々ですが,ここでは単純化して,
「相手が不快に感ずる性的な言動」をセクハラとします。

男性から女性に対するもの,女性から男性に対するもの,
また同性間のものもあります。

多くの場合,
職場における地位や取引先との力関係が背景にあります。
セクハラの言動を行っていても,当人にその自覚がない場合がほとんどです。

「相手は不快に感じていない」とか
「相手も望んでいる」と思っているのです。

職場での関係,取引関係などのため,
不快な言動をされても「不快です」と
意思表示できるものではありません。

不快に思っても,笑って受け流したり,
適当に相づちを打ったりするものです。
これを「相手も望んでいる」とか
「私に好意を抱いている」と勘違いしてしまうのですが,
この勘違いが命取りです。

身体的な接触があると
強制わいせつとして刑事事件となります。

実際に,刑事事件になったケースもあり,
数百万円の慰謝料を支払うケースが少なくありません。

最悪,社長が逮捕されるようなことになれば
会社は倒産してしまいます。

この恐ろしさをよく知ることが大切です。

そして,早い段階で対処するために,
セクハラ相談窓口の設置が有効です。

そのような窓口があることを
社内に周知することによる効果もあります。

コンプライアンス違反への対策「パワハラ」

上司は,営業成績を上げるため,
ミスをして顧客に迷惑をかけないようにするために
部下を注意しています。

注意したらミスが減るのかというと,逆効果であり,
注意することによってモチベーションが減退し,
また,結果に対する焦りも生じて,
またミスをしてしまいます。

「ミスがミスを呼ぶ」とよく言われるとおりです。
ミスをした場合に,始末書などを書かせる会社もありますが,
担当者に対して「効果はありますか」と尋ねると口をそろえて
「まったく効果がありません」と言います。

まず,人間とはどういう生き物であるのか,
をよく知ることが必要です。

それには自分を見ればよく分かります。

どういうときに意欲が落ちるのか,
どうしてもらうと意欲が出るのか,を考えてみてください。

これは相手も同じです。

上司であることの価値は,部下の気持を知り,
部下を行動させるところにあります。

役職に就ける際には,まず,
このようなトレーニングを行うことが必要です。

それでも自覚しないまま部下の心を傷つけ,
精神疾患に追い込んでいる場合もありますので,
部下が相談できる窓口を設置しておくことも必要です。

2018年11月27日 | Posted in 全記事 | | Comments Closed 

関連記事