2021年01月27日

【交通事故】死亡事故事案の示談交渉で1000万円増額となった事例

ご相談の内容

高齢の母(90歳代)が交通事故に遭い、亡くなりました。
 母は生前、父の食事を作ったり、自分で買い物もしており、とても元気でしたので、突然の出来事に大変なショックを受けました。  その後、保険会社から損害賠償額が提示されました。
 提示金額は約2000万円だったのですが、これは妥当な金額なのでしょうか。 

解決への道すじ

保険会社の提示を確認したところ、まず、逸失利益が低く提示されていることがわかりました。

 逸失利益 とは、 亡くなられた被害者が生きておられたら本来受け取ることができた収入などを賠償してもらうもの です。

仕事をしていた方であれば、将来得られたであろう給料相当分が賠償されます。

仕事に就いていなくても、主婦の方(「家事従事者」と言われます)であれば、家事労働を金銭に換算して、賠償を受けることができます(原則として、女性の平均賃金を基準に逸失利益が算出されます)。

この被害者の方は、仕事はしておられませんでしたが、旦那さんと二人暮らしで、家事全般をされていました。

そのため、 家事従事者としての逸失利益を主張したところ、保険会社から、逸失利益を約200万円増額させるという回答を得ました。 

また、慰謝料も裁判所の基準より低い金額が提示されていました。

慰謝料の算定基準はいくつかありますが、裁判所では以下のような基準が用いられています。

・一家の支柱  … 2800万円
・母親,配偶者 … 2500万円
・その他    … 2000~2500万円
(「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(通称『赤い本』) 2020年版)

今回の相談者の場合、「その他」の方に当たるのですが、保険会社の提示では、慰謝料は1500万円と提示されていました。そこで 「慰謝料は2500万円が妥当である」と主張したところ、800万円増額し2300万円とすることで合意しました。 

最終的には、当初の提示金額から1000万円増額された3000万円を受け取って示談することとなり、ご依頼を受けてから2か月程度で解決することができました。

保険会社の提示額は低めに設定されていることがあり、弁護士が交渉することで増額されるケースがあります。

 特に、被害者の方が亡くなられた事案や、重度の後遺障害を負われた事案については、弁護士が交渉することで、数百万円一数千万円程度増額されることも、少なくありません (保険会社からの提示金額が妥当だというケースも、当然あります)。

弁護士に保険会社からの提示内容を見せて頂ければ、増額の余地があるかどうか、あるとすればどの程度あるのか、見通しをお伝えすることができます。

保険会社から賠償額が提示されたら、一度弁護士にご相談されることをお勧めします。



執筆者プロフィール
弁護士紹介|臼井 元規弁護士 臼井元規 >>プロフィール詳細
1990年愛知県生まれ。
交通事故に注力している。
『被害に遭った方の気持ちに寄り添う』ことをモットーとしており、
適切なスピード感を持って,相談者の悩みに誠実に応えるようにしている。
2021年01月27日 | Posted in 【個人】交通事故, 個人の解決事例, 全記事, 臼井元規の記事一覧, 解決事例 | | Comments Closed 

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