2026年08月21日

白ナンバーと緑ナンバーの違い・違法「白トラ」問題について

1 はじめに

「白ナンバー」「緑ナンバー」という言葉は、トラックやバンを使って仕事をされている方ならば、一度は耳にされたことがあると思います。しかし、この2つの違いが 法律上どのような意味を持つのか 、そして 違法な「白ナンバートラック」(いわゆる「白トラ」) を利用することがどのようなリスクをはらんでいるのか、正確に理解されている方は意外と少ないかもしれません。

また、 2026年4月から施行された貨物自動車運送事業法の改正 により、 違法白トラを利用した荷主側にも罰則が科される ようになりました。運送業者だけでなく、荷物を依頼する側の企業にも関係する重要な改正です。

今回は、白ナンバーと緑ナンバーの違い、そして 違法白トラ問題の現状と対策 について、解説します。
 

2 白ナンバーと緑ナンバーの違い

自動車のナンバープレートの色には、白・黄・緑・黒などがあります。このうち、 白ナンバーと緑ナンバー(トラック・バン等の場合)の違い は、以下のとおりです。

⑴ 白ナンバー(自家用自動車)

白ナンバーは「 自家用自動車 」の区分です。

自家用自動車は、 自社の荷物を自社で輸送すること には使用できますが、 他社の荷物を有償で運送することはできません 。これは、貨物自動車運送事業法により、他人の需要に応じて有償で貨物を運送する行為は、 国土交通大臣の許可を受けた事業者にのみ認められている ためです(貨物自動車運送事業法3条)。

なお、車検の期間については、一般的な自家用乗用車・小型トラックの場合は 2年ごと です(ただし、 車両総重量8トン以上の自家用自動車は、事業用自動車と同様に3か月ごとの定期点検が義務付けられています )。

⑵ 緑ナンバー(事業用自動車)

緑ナンバーは「 事業用自動車 」の区分で、 一般貨物自動車運送事業の許可を受けた事業者 が使用する営業車です(軽自動車の場合は「黒ナンバー」になります。現場では「青ナンバー」と呼ばれることもありますが、 正式名称は「緑ナンバー」 です)。

緑ナンバーの事業者は、 他社の荷物を有償で運送することができます 。その一方で、 法律上の規制も白ナンバーより厳しく なっています。主な違いは以下の表のとおりです。

項目 白ナンバー(自家用) 緑ナンバー(事業用)
有償運送 自社荷物の自社輸送のみ可(他社荷物の有償運送は不可)  他社荷物の有償運送が可能 
事業許可 不要  国土交通大臣の許可が必要 
車検(トラック) 2年(8t以上は1年) 1年
定期点検 8t以上:3か月ごと/8t未満:1年ごと 3か月ごと(重量不問)
アルコールチェック 5台以上(11人乗り以上は1台以上)で義務 全事業者に義務
管理者選任 5台以上で安全運転管理者(道路交通法第74条の3) 全許可事業者に運行管理者(貨物自動車運送事業法第18条)

 

3 違法「白トラ」とは何か

違法「白トラ」とは、 国土交通大臣の許可を受けていないにもかかわらず  白ナンバーの車両を使って他社の荷物を有償で運送する行為 のことを指します。

この行為は、貨物自動車運送事業法第2条に定める「一般貨物自動車運送事業」を、同法第3条に定める許可を受けずに行うものです。違反した場合の罰則は厳重で、 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 (貨物自動車運送事業法第70条・第78条)が科され、名義貸しの場合には 事業停止等の行政処分 を受けることもあります。

なぜ違法白トラが問題になるかというと、緑ナンバーの事業者に課されている、

  • ①  安全管理基準の遵守 
  • ②  定期点検・車検の厳格な実施 
  • ③  アルコールチェックや点呼等の実施 
  • ④  運行管理者の選任 

――といった義務を免れた状態で運送業を行うことになるため、 安全性が担保されない からです。
 

4 2026年4月改正による荷主への罰則新設

従来、違法白トラ問題への対処は主として運送業者側への取り締まりによっていましたが、 荷主側の責任はほとんど問われてきませんでした 

しかし、2026年4月に施行された貨物自動車運送事業法の改正により、 荷主も処罰の対象 となりました。具体的には、違法白トラ業者に運送を委託した荷主に対して、 100万円以下の罰金 が科されることとなりました。

「頼んでいる運送会社が白ナンバーかどうか知らなかった」 では済まされない時代 になっています。
 

5 荷主として取るべき具体的な対応

荷主の立場にある企業は、運送を委託する際に、 委託先が適法な許可を持つ事業者かどうかをしっかりと確認すること が必要です。

具体的には、受託事業者に対して、

  • ①  貨物自動車運送事業の許可書の写し の提出を求めること
  • ② 再委託先が違法に運送を行っていないことを証する 誓約書 の提出を求めること

といった措置を講ずることが望ましいと考えられます。

許可の有無は、 国土交通省や地方運輸局への問い合わせ のほか、 契約書に許可番号を明記してもらう ことで確認することができます。口頭での確認だけではなく、 書面で記録に残しておく ことをお勧めします。
 

6 おわりに

今回は、白ナンバーと緑ナンバーの違い、および違法白トラ問題と2026年4月の法改正について解説しました。

運送業者の方はもちろんのこと、製造業・流通業など荷物の輸送を外部に委託するあらゆる企業にとって、 「頼んだ相手が適法な許可業者かどうか」を確認すること は重要な課題となっています。

お取引先の運送業者の適法性確認、社内の安全管理体制の整備、万一事故が起きた場合の対応方針など、ご不安な点がありましたら、お気軽に顧問弁護士など 弁護士にご相談ください 
 

執筆者プロフィール
弁護士紹介|臼井 元規弁護士 臼井元規 >>プロフィール詳細
1990年愛知県生まれ。
交通事故に注力している。
『被害に遭った方の気持ちに寄り添う』ことをモットーとしており、
適切なスピード感を持って,相談者の悩みに誠実に応えるようにしている。

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