債権・売掛金回収の方法「内容証明の文例と書き方のポイント」
「内容証明」という言葉は聞いたことはあっても,それが何か良くご存じないという方もあります。
内容証明郵便は,いつ,誰に,どんな文書を送ったのかを郵便局が証明してくれる制度です。
さらに,配達証明というサービスを付けると,郵便局が,文書が間違いなく相手方に配達されたことと,その日付を証明してくれます。
内容証明郵便は、紙媒体か電子的に送る方法がありますが、以下では紙で送る場合をご紹介します。
内容証明郵便は,文書一枚の字数は次のように細かく決められています。
(縦書きの場合)
・1行20字以内、1枚26行以内
(横書きの場合)
・1行20字以内,1枚26行以内
・1行13字以内,1枚40行以内
・1行26字以内,1枚20行以内
文房具店に行くと内容証明郵便用の用紙が売られていますが、このような市販の用紙でなくても、上記字数のとおりであれば、パソコンでも作成することができます。
ただし、句読点も一文字として数えられますので、行の最後の句読点が送り出されて一文字多くならないように禁則設定にはご注意下さい。
また、記号などを使う時、何文字と数えるかが分かりにくいことがあります。
「%」は1字ですが、「m2」や「kg」は2字と数えます。
文字を丸などで囲む時も要注意です。⑤は2字、⑩は3字として数えるようです。
さらに、固有名詞に「アルファベット」を使うと一律13字。ここまで来ると、理由があるのか無いのか分からなくなってしまいますが、そういう決まりになっているようです。
内容証明を送るには,郵便局に,相手に送る文書とそのコピー2通,差出人と受取人の住所氏名を記した封筒を持って行きます。
郵便局では,コピーが元の文書と完全に同じかどうか細かく確認されます。
郵送代金は文書1枚を送り,配達証明をつける場合,1252円(普通郵便82円+書留430円+内容証明加算430円+配達証明310円)になります。
文書は1枚増えるごとに更に260円がかかります。
なお,内容証明を送ることができる郵便局は予め決められていて,どの郵便局でも良いわけではありませんのでご注意下さい。
次に内容証明郵便で送る文書の内容ですが,例えば次のようなことを書きます。
なお,下記の例文は送付先と差出人の住所氏名が文頭に書かれていますが,末尾に書いてもかまいません。
(文例)
平成○年○月○日
石川県××市○○町○番○号
株式会社 A
代表取締役 □□□□ 殿
石川県××市○○町○番○号
株式会社 B
代表取締役 ■■■■
請 求 書
当社は,貴社との間で,平成○年○月○日付で,商品Cについて,売買代金を金●●●円とし,左記代金の支払期限を平成○年○月○日とする売買契約を締結し,○月○日に商品を貴社に引き渡しました。
しかしながら,貴社は約定の支払期限までに支払いをせず,今日に至っても未だに支払いがありません。
つきましては,本書面到達後7日以内に本件売買代金●●●円を下記口座にお振り込み下さい。
○○銀行 ○○支店
普通/当座 口座番号1234567
口座名義人 カ)B
なお上記期日を過ぎてもご対応頂けない場合には,法的措置をとらざるを得ませんのでご承知おき下さい。
(文例以上)
交通事故と企業法務に注力している。
交通事故は,年間相談件数104件(受任件数75件)(※直近1年間)の豊富な経験を持つ。
後遺障害の等級アップについても、多数の実績を持つ。
企業法務分野に取り組む際には、『経営者のパートナーとして会社を良くしていく』という姿勢を一貫しており、企業の『考え方』を共有し、寄り添うことを大切にしている。