2018年06月04日

【離婚問題】妻に財産管理を任せていた場合の財産分与

ご相談の内容

離婚協議中のKさん(男性)からの相談でした。

同居中は通帳も印鑑も全て妻に預け、家計をすべて妻に任せきりにしていたそうです。
そのため、どこにどのような財産があるのかまったくわかりません。
妻に聞いても教えてくれず、まったく財産がないと言われました。

Kさんの年収は1500万円以上で、
子どもは2人いますが、高校生と中学生で、それほど教育費はかかっていないと思われました。
また、転勤族のため、住宅にお金がかかったということもありません。
結婚生活は20年近くになりますが、かなり貯蓄はあるはずです。
それを明らかにして、資産はきちんと2分の1にして離婚をしたいとのご相談でした。

解決への道すじ

まずは、ご自身の銀行口座の履歴をとってもらいました。
すると、子ども名義の定期積金が1000万円なされていること、
光熱費などの引き落とし分を残して、
給料日に給料のほとんどが引き出されていることが分かりました。

妻が自ら口座の履歴を開示するとは思えませんでしたので、
離婚調停をして、妻の口座の履歴を裁判所から金融機関に問い合わせをする調査嘱託を申し立てることにしました。
金融機関は、本人以外の口座の履歴を教えてくれませんが、
調査嘱託をすれば、本人以外の口座の履歴を教えてくれます。

妻がどの金融機関に口座を持っているのかについては把握していませんでしたが、
主要な金融機関に絞って調査嘱託をしたところ、
依頼者の給料日に妻名義の口座に入金がなされており、
2000万円の預貯金があることが判明しました。

子ども名義の定期積金も事実上は夫婦の預金ですので
子ども名義の定期積金と妻名義の預貯金合計3000万円の2分の1を
財産分与で受け取ることができました。

執筆者プロフィール
弁護士紹介|浮田 美穂(副所長) 弁護士 浮田美穂 >>プロフィール詳細
平成14年より兼六法律事務所で勤務。
女性からの相談が多いため,セクハラ・パワハラの被害についての調停・訴訟の経験もある。
2018年06月04日 | Posted in 【個人】離婚問題, 個人の解決事例, 全記事, 浮田美穂の記事一覧, 解決事例 | タグ: , Comments Closed 

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